ほぼ毎年、友人から招待券をもらって生け花を見に行きます。
桜8分咲きの上野公園内の東京都美術館に今年も足を運びました。
仏に花を捧げる仏前供花(ぶつぜんくげ)から始まったといわれる生け花。
会場に並べられた百を超える作品が次々に目に入ってきますが、作品は目に
したその瞬間の印象が勝負のような気がします。私は全くの素人で、
作り手が何を表現しようとしたのかなどということは皆目わからないのですが、
1輪か2輪、天に向かってスッと立っている作品が凛として好きです。今この瞬間、命を生きている花の力強さと健気さ(命のはかなさ)が伝わってくるからです。その一方で、宇宙のどこかから届いたかのような自由花も作り手の奔放な想像力が感じられて、つい立ち止まって見入ってしまいます。目の保養だけではなく心も洗われ、何かシャキッとしたものが体に一本通ったような気持ちになりました。
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