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「アルフォンシーナと海」をアップしました

  • 執筆者の写真: 直樹 冨田
    直樹 冨田
  • 2025年12月18日
  • 読了時間: 2分

更新日:2025年12月30日

 もう数十年も前、アルゼンチンのフォルクローレ歌手で「民衆の母」と慕われたメルセデス・ソーサがこの曲を歌ったのをCDで聴いてすっかり気に入り、何度も繰り返し聴いていました(もう1つ「Gracias a la vida」という曲も)。アルゼンチンが軍事独裁政権だった1970年代、ソーサは同政権が禁止する歌を歌って目をつけられ、あるコンサートで禁止された曲を歌ってその場で逮捕され、数百人の聴衆ごと刑務所に入れられたこともあるそうです。1970年代後半にスペインに亡命。軍政が終わる頃に祖国に戻りました(スペイン亡命中、ベルリンフィル・ハーモニーホールでコンサートを行い、非クラシック音楽で同ホールを満員にできる数少ない歌手の1人と言われたそうです。心あるドイツ人は彼女がどんな歌手かを知っていたのですね)。

 この曲の歌詞は、病魔に冒され「私は眠りにつく」という言葉を残して入水自殺をするアルゼンチンの女流詩人アルフォンシーナ・ストルニへのオマージュです。実際は防波堤から海に飛び込んだそうですが、歌詞では浜辺から海に向かって少しずつ姿を消していったように描かれています。いろんな訳がアップされていますが、歌詞の大意は以下のようです。


  波の洗う白い砂浜の上

  彼女の小さな足跡はもう戻ってこない

  哀しみと沈黙のひとりぼっちの道を通り

  彼女は広い海の底へと旅立った

  声のない苦しみのひとりぼっちの道は

  泡の中へと消えて行った

  君は行ってしまった、アルフォンシーナ、孤独と一緒に

  今度はどんな新しい詩を探しに行ったの?


 ギターへの編曲は同じくアルゼンチンのギタリスト兼作曲家(で医師でもある)ホルヘ・カルドーソです。世界屈指のギタリストの1人、デイヴィッド・ラッセルが「Aire Latino」というタイトルのCDでカルドーソ版を演奏していて気に入り、私も同じ楽譜で演奏しました。私の頭(心?)にはソーサの哀愁と底知れぬパワーに満ちた歌声がこびりついているのですが、もちろんそのようには演奏できず(ミスタッチも相変わらず)、何度も撮り直しをしました(が、お聴きの通りの結果。今はこのレベルで精いっぱいです)。この曲に興味がある方は、ぜひ YouTubeでソーサの歌を聴いてみてください。日本では波多野睦美さんがつのだたかしさんのギター伴奏(リュートかな?)で歌っています。これもなかなか素晴らしい演奏ですよ。

※次回はイヴ・モンタンの「枯れ葉」。その次は「アストゥリアス」またはトロンボーンとのデュオでピアソラの「カフェ1930年」をアップしたいと思っています。乞うご期待!




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