「ワルツ第2番」をアップしました
更新日:9月25日
この曲を作曲したショスタコーヴィッチ(1906-1975)は、スターリン時代にソ連クラシック音楽界の栄光と粛清(の恐怖)に生きた作曲家だと言われています。彼はソ連体制が主導する社会主義リアリズムに沿った交響曲などを作曲する一方で、皮肉やウィットに富み、さらにジャズやキャバレーの雰囲気を取り入れた(つまりソ連政府の意向に沿わない、“堕落”とみなす)音楽も作曲しました。例えば、私の好きなピアノ協奏曲第1番はジャズの雰囲気があり、おどけたメロディをピアノが奏でます。彼には西洋古典の正統な音楽とそうではない音楽の両方への止みがたい衝動があって、あえて反体制を意識したのではないという意見もあります。いずれにせよ、体制の好みと監視を意識していたことは確かで、友人でヴァイオリニストのオイストラフのために作ったと言われるヴァイオリン協奏曲第1番は作曲しても8年間発表せず、スターリンが死んだ後にようやくオイストラフが初演をしました(この曲を五嶋みどり&ベルリンフィル演奏のCDで聴いていますが、その第2楽章と第4楽章の、特にリズムの暗い躍動感が素晴らしい)。
「ワルツ第2番」はスターリンが死んだ後にソ連の映画音楽のために作曲されましたが、トム・クルーズとニコール・キッドマンが主演した映画「アイズ・ワイズ・シャット」(1999年)の舞踏シーンに使われて一躍、有名になりました。ユダヤ人であるマーラーの曲を好んで聴いていたショスタコーヴィッチはユダヤの民俗音楽にも興味を抱いて研究していたそうで(ちなみにオイストラフもウクライナ出身のユダヤ系)、この曲はその(ユダヤ民俗音楽の)影響があると言われています。
コメント