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ギター工房を訪問しました

  • 執筆者の写真: 直樹 冨田
    直樹 冨田
  • 4月7日
  • 読了時間: 2分

更新日:4月8日

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 4月6日(日)、足利市にある田邊雅啓さん(前掛けをしている男性)のギター工房にギターの生徒4名とともにお邪魔してギターの製作工程についてレクチャーをしていただきました。田邊さんはギターショップAURAでギターのリペアを担当していて、数年前、私のギターが乾燥でひび割れした際、見事に修理していただいたことがあります。

 田邊さんは学生時代に首の骨を折るという九死に一生を得るような大怪我をした経験から、法学部を卒業したにもかかわらず、何か形に残るようなものづくりの仕事をしたいと暗中模索している中で、ある出会いからギター製作者の道を見つけたそうです。それまで音楽とは縁もゆかりもなく、アルバイトをして100万円を貯めてギター工房で学び始め、その一方でギターの演奏も習ったため、それこそ寝ている時以外はギター漬けの毎日だったそうです。

 ギターの製作過程の説明では、表面版や裏板、側板に使う松や杉の板を中指の第2関節で常にコンコンコンと叩いて木の音を出しながら(確認しながら)説明していましたが、その動作に音作りに情熱を傾けている職人の姿勢を感じました。私にとって特に興味深かったのは、表面版にわずかに丸みを持たせて、そこに割りばしのような細長くまっすぐな木の棒を張りつけ(この木の棒を「ちから木」といいます)、丸みの部分にまっすぐな木の棒を張り付けることで表面版が振動する際に反発が生じて振動をsustain=持続させ、それがより豊かな音を作るという点でした。ヴァイオリンの表面は少し丸美を帯びていますが、ギターの表面板は平だと思っていたのです(ギターを毎日見て触っているのに)。木を削る鉋(かんな)も様々な大きさのものがあり、そのいくつかは手作りとのことでした。そしてその鉋でヒノキの木を削る体験もさせてくれました。現在、ギターは年5~6台しか製作しないそうです。「若い頃は短い時間で見栄えの良い完成品を作っていましたが、今は理想の音を実現するため1工程1工程を丁寧に作るため、その程度しか作れません」。

 1時間の予定でお願いしたのですが、その倍の2時間も説明していただき、彼のギターづくりにかける情熱を胸いっぱいに吸収して東京に帰ってきました。田邊さん、ありがとうございました!

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